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重力との対話(7/5)

最終更新: 7月12日

 曇り。


 前日に、作品に使われる電磁石を、府中市美術館の公開制作室にジャッキ付きの台車で運び入れました。

 重さ約100kg。とても重い・・・。

 公開制作で使う電磁石は、以前、電磁石メーカーに製造を依頼した品物に対して、私が勤める電気通信大学の機械工場の中で、私自身が追加で手巻きして作成したものです。手巻きと言っても、私の手だけでクルクルと巻ける訳ではなく、巨大なボール盤の回転テーブルを利用して、力が強そうな、頼りになる男性3名にお手伝い頂いて巻きました。

 7月最初の公開制作の当日。まず、液体素材を扱うので床の上に養生をし、電磁石用の円筒形のコイルを立てます。コイルは倒れないように、リング状の樹脂の部品の中に埋め込みました。

 コイルを立てたら、穴に鉄芯を手に持って入れ込みます。鉄芯は重いので、分割されており、ひとつひとつをゆっくりと入れていきます。鉄芯同士は、ネジで連結できるようになっています。

 次に、作品の肝心かなめの鉄のタワーをコイルに挿入します。とがった大きな鉛筆が、芯を上に向けて床に立っているような状態です。

 最後に、鉄製のタワーの根本に、タワーの直径とぴったり同じ大きさの穴の開いた浅い樹脂の皿を取り付け、皿とタワーの隙間をコーキング材を塗り込んで塞ぎます。

 磁性流体を使うインスタレーションの中心となる構造体ができました。コーキング材が乾くまで、24時間待たなければなりません。



 この日は、二つ目の磁性流体を使うインスタレーション(「リボーム」シリーズ)を仮設置も行いました。作業の様子を、古いminiDVカメラを利用してノートパソコンからYouTubeで中継を試みました。照明の当たり具合と画質はよくありませんが、この様子は以下のURLに記録してあります。

https://studio.youtube.com/video/WZlAY5MLdms/livestreaming

 金属の電磁石を用いる磁性流体の作品作りは、常に、重さとの闘いです。磁性流体の形自体が重力の作用を受けて変化が生まれてきますが、こうしたアートプロジェクトの制作を行っていると、私たちの生活、身体とそのまわりのもの全てが重力の働きを常に受けていることを随分と思い知らされます。私たちの身体、運動、そして芸術作品ですら、重力の強い影響を受けてその魅力を生じさせていることを、普通に生活していると忘れてしまいがちですが、そのことはもっと意識されてもよいかもしれません。


児玉幸子


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©2020 by 府中市美術館公開制作・児玉幸子 Sachiko Kodama Open Studio @ Fuchu Art Museum

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